ナショナルトレジャー2(2007)
「大統領を…誘拐する」
ナショナル・トレジャー2/リンカーン暗殺者の日記 [Blu-ray]
おすすめ度…★★★★★
ジャンル…アドベンチャー
監督
ジョン・タートルトーブ
脚本
ザ・ウィバーリーズ
出演
ニコラス・ケイジ, ヘレン・ミレン, ダイアン・クルーガー, ジョン・ボイト, ハーヴェイ・カイテル
予告
あらすじ
歴史学者にして冒険家のベン・ゲイツ一族に「リンカーン大統領暗殺者の真犯人」としての汚名がきせられた。真相を追うゲイツは、自由の女神、バッキンガム宮殿、ホワイトハウスといった歴史的な建造物に秘められた暗号を次々と解読。やがて彼は、歴代大統領に受け継がれる秘密文書に辿り着き、アメリカ新大陸の《黄金伝説》への手掛かりが記されていることを知る。世界を支配する事ができるほどの莫大な秘宝を、見えざる敵から守るため、ゲイツは歴代大統領にも不可能だった《黄金都市》の謎に挑む―。
感想
ニコラスケイジさんが先祖の汚名を晴らすべく奔走するよ。
先祖の因縁、暗号解読、謎の追っ手。
カーチェイスに仕掛け満載の古代遺跡、アメリカ映画特有の軽快なユーモアもある
家族で安心して楽しめる謎解きアドベンチャー。
インディージョーンズを意識したと思われるシーンも多数あり。
主人公たちがリンカーン暗殺の謎を解き明かすためワシントンやパリ、ロンドンを駆けずり回る!お子様向けダヴィンチコードと言ってもいいかもしれない。
登場人物がそれぞれキャラが立っている。
主人公ニコラスケイジ、その彼女、お調子者枠の凄腕ハッカー、32年間別居中のニコラスケイジの両親、彼らを追う謎の敵ミッチー、、
嫁には頭が上がらないパパ役のジョン・ボイドがいい味出してる。要所要所に入れられる夫婦漫才も見どころの一つ。
また、アメリカの史実をもとにした映画なので当時の時代背景を知っておくとより楽しめる。
アメリカ映画の良さが全面に出てる傑作。
そして筆者が映画史に残るであろうと勝手に思ってる名台詞がコレ。
「アメリカ大統領を…誘拐する!!」
わははは もうめちゃくちゃ。
これを聞きたいがためにこの映画を見たくなる(笑)
相当面白い映画だと思うんだけどイマイチ知名度がないんだよなあ。冒険もの好きならオススメ。
【ナショナルトレジャー2】
ズートピア(2016)
「一番怖いのは理由もなく怖がること」
ズートピア MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド] [Blu-ray]
おすすめ度…カンスト
ジャンル…アドベンチャー
監督
リッチ・ムーア
バイロン・ハワード
ジャレド・ブッシュ(共同監督)
脚本
ジャレド・ブッシュ
フィル・ジョンストン
【予告】
【あらすじ】
動物が人間のように暮らす楽園、ズートピア。誰もが夢を叶えられる人間も顔負けの超ハイテク文明社会に、史上最大の危機が訪れていた。立ち上がったのは、立派な警察官になることを夢見るウサギのジュディ。夢を忘れたサギ師のニックを相棒に、彼女は奇跡を起こすことができるのか…?「アナと雪の女王」「ベイマックス」のディズニーが夢を信じる勇気にエールを贈る感動のファンタジー・アドベンチャー。
【感想】
一言で感想を述べると
なんだこの名作は!!
あまりに面白すぎてブルーレイ買っちゃったよ!!もう20回くらい見ちゃってるよ!!
ここまで万人におすすめできる素晴らしき娯楽映画はそうそうない。案の定、映画評論家からは絶賛の嵐。
そんな今作の魅力をポイントを押さえながら説明したいと思う。
見所1 現実的な話
ディズニーと言うと筆者のイメージでは愛とか魔法の世界感で繰り広げられるファンタスティックな物語だったのだけど
この「ズートピア」はひたすら現実的な話である。
主人公ジュディは警察官になって世界をより良くする夢がある。
しかしそれは「女だから」とか「ウサギだから」と理由を並べられ何度も何度も足を引っ張られる。
彼女は性別や種別によって大きな仕事を任せてもらえず不満を募らせる。
ディズニーは彼女の上司に
「仕事は『何をしたいか』ではなく『何かできるか』。力の弱いウサギは警察官なんか出来るはずがない。ニンジン畑に帰れ。ありのままに。」
と、まさかの自作映画「アナと雪の女王」のヒット曲「Let It Go」を持ち出して言わせるという荒業までやってしまっている。
それでもジュディは逆境にめげず、自分の信念を持って努力する。
見所2 主人公ジュディが聖人君子ではない
大抵、子供向けの作品だと主人公は絶対正義である。ましてや天下のディズニー。勧善懲悪万歳の世界だ。
対してジュディは非常に人間くさい。
確かに彼女は素晴らしき人格者である。夢に向かって努力もできるし、周りに流されないタフなハートも持っている。
しかし「みんな平等に」と言う割には自身は差別を行なっているのだ。
キツネを見たら無意識に「何かしでかす」と決めつけたり、交通整理は自分のような優秀な人間がするような仕事ではないと主張したりと自分でも気づかない内に親や社会に植え付けられた人種や仕事に対して差別意識を持っているのだ。
これは日本語吹き替えにはないセリフだが、原語版を見ると彼女は
「わたしの足を引っ張ることで自分の惨めな人生が救われると思ってるのね?」
とニックに吐き捨てている。
また、彼女の成長についても綿密なストーリー構成がなされている。
序盤のジュディは真面目でまっすぐ過ぎて融通の利かない人物として描かれている。
それが詐欺師のニックや色んな信条を持った動物たちに出会うことで、多少ルールを破って姑息な手を使ってでも目的を果たす心の柔軟性を持つまで成長した。
おいおい、いいんかいディズニー。でも筆者はこういった描写によりこの映画が大好きになった。
見所3 ジュディとニックの関係が素晴らしい
キツネのニックとの相棒関係がいい。
というか、今作を1回目に視聴したときニックのかっこよさにしか目に行かなかったほど彼は非常に魅力的な人物だ。
序盤で彼はつかみ所のない口上手な詐欺師として主人公の前に登場する。
脱税をしてよその店のものを転売しあこぎな商売で生計を立てるどうしようもない奴だ。
しかし彼はジュディと違いニュートラルに物事を見る点において非常に優れている。
それは彼自身、幼い頃から「キツネだから」と差別に遭い苦しんだ経験があったからだった。
真っ直ぐなジュディのことをバカにしつつも決して見かけの勝手なイメージを押し付けたりしない。
酸いも甘いも噛み分けた彼は他の誰よりも達観していて、世間に流されない自身の確固たる価値基準を持った大人なのだ。
ここまで魅力的なヒーローキャラが未だかつてディズニーにいただろうか?
「男は女をハントし女は王子様を待つ」「男は外に出て働き、女は家を守る」というディズニーや従来の男女観の法則を無視し
対等な存在として性別や種族をも超えて理解し合う2人は、
現代における男女関係の理想の究極を行っているのではないか。
このような映画が流行ることも、段々と時代が変わって来ているという証なのかもしれない。
【ズートピア】
翔太と猫のインサイトの夏休み―哲学的諸問題へのいざない
「恋が愛に移行するためにはね、歴史が必要なんだ。」
翔太と猫のインサイトの夏休み―哲学的諸問題へのいざない (ちくま学芸文庫)
おすすめ…★★★☆☆
ジャンル…哲学、教養
【あらすじ】
哲学とは何よりもまず、好奇心と探究心に満ちた子どもの遊び場だ―。中学生の翔太と猫のインサイトが、「いまが夢じゃないって証拠は?」「心があるって、どういうこと?」「たくさんの人がいる中で、ある一人だけが『ぼく』なのはなぜ?」「死ぬって、どういうこと?」といった問いをめぐり対話する。「私」が存在することの奇跡性のほか、実在論や可能世界、正義原理、言語ゲームなど哲学の諸問題を取り上げ、自分の頭で考え抜くよういざなう。予備知識のいらない、「子ども」のための哲学入門。
【感想】
子供のためと釘打ってるが、
前に紹介した「史上最強の哲学入門」より難しかったかもしれない。
「この世はVRみたく見せられた幻想世界で実は我々の脳は宇宙船の実験室にあるのかもしれない」(←簡単に言えば映画アバターの世界)
「あるいは夢の世界が本当の世界で、現実だと思ってる今の世界が夢の世界なのかもしれない」
そんな話がバンバン出てくる。
読んだのは随分前だけど、ずーっと印象に残っているのはこのシーン。猫のインサイトは学校に好きな子がいる主人公に対し、こんなことを言った。
「もしもその子が病気になって髪の毛が無くなってしまったら、あるいは事故で顔が無くなって植物人間になってしまっても、君はそれでもその子を愛せるかい。」
そして、こう続ける。
「恋はその人の持っている何らかの性質に向けられるものだけど、愛はそうじゃない。愛はね、その人そのものに向けられるものなんだよ。」
私も主人公と一緒に考えてしまった。
確かに、恋するときは相手の良いところしか見ないけど
愛はその人がどういう状態だとかどうでも良くて、その人がその人であることに意味を見出すものかもしれない。
そこまでの境地に達するには縁と相性とタイミングがものすごーーく重要なんだよね…(そしてある日突然、あっさり切れてしまうこともある)
まぁこれはあくまでたとえばの話だけど。結婚した後、嫁の性格が変わった、冷たくなったという話を聞くことがある。
奥さんの言い分を見れば、結婚前は魅惑的に見えていた相手の気ままさが結婚後は家庭や子供のことを顧みない単なるワガママで身勝手な男としか思えなくなる、と言ったところだろう。
それだけ、恋なんてどうでもよくなるくらいに子供のことが大事になる。これが愛というものかもしれない。
容姿が美しいからとか大勢の中で優秀だからとか「◯◯だから」好きとか、そういうことじゃない。
理由なんてないけど、大切。これが愛なのだろう。
【翔太と猫のインサイトの夏休み―哲学的諸問題へのいざない】
【本】史上最強の哲学入門
「史上最強の哲学を知りたいか」
おすすめ…★★★★☆
ジャンル…哲学、教養
飲茶(やむちゃ)
【あらすじ】
難しそうな学問を、噛み砕いた言葉で、ひたすらわかりやすく解説した本(『哲学的な何か』シリーズ)が大好評の、飲茶氏による書き下ろし哲学ガイド。
カバーイラストに、『グラップラー刃牙』シリーズで絶大な人気を誇る板垣恵介氏を起用し、「真理」「国家」「神」「存在」といった、哲学の永遠のテーマを、哲学者=知の格闘家たちが、熱く激しい議論を繰り広げた物語として読む。
図解や写真を多用し、「哲学」ってどんなものか知ってみたい人、今まで、「哲学」に何度も挫折してきた人も、これでハマる哲学入門の決定版。
【感想】
子供の頃から、「世界はどうして存在しているのか」「人間は死んだらどこへ行くのか」そんなことばかり考えていた。
よって世界の真理を探求するという哲学という分野に興味を持つことは自然であるが、いかんせん哲学と言うと「無知の知」やら「我思うゆえ我あり」といった小難しい言葉が並び初学者にとっつきにくい学問となっている。
そんな哲学初心者や挫折した人に適したものがこの本書。
古代ギリシア〜現代までの主要な哲学者とその思想を簡単に説明してくれているので、まずはこの本を取っ掛かりとして学習すると良い。
本書では教科書でよく見かけるソクラテス、プラトン、アリストテレスと言った名だたる哲学者たちの教えを現代の言葉で理解することが出来る。そして哲学は歴史と同じように時代の変遷と共に覚えておくのが良い。
たとえばプロタゴラスの考えは「人それぞれ価値観が違うんだから論争なんてしないでおこう」というような、非常にリベラルで現代人の価値観に照らし合わせれば良いことのように思える。
しかし、そういったなあなあ主義が政治の堕落に繋がり、その後「みんなそれぞれでいいで終わらせるんじゃなくて真理を懸命に探求し続けるべきだ!」というソクラテスのような厳格な哲学者が生まれる。
この本では世界の真理を巡り様々な哲学者たちが先人の考えを踏襲しよりよい考えを取り入れて学問を発展させていくという流れが非常に分かりやすく書かれている。
また、哲学者だけでなくルソーやアダムスミスなどの経済に深く関連のある人物についても記されているので当時の経済思想の簡単な流れをつかむことができる。
文書も砕けていて読みやすいので哲学にちょっとでも興味のある人は読むべし。
(ただしページ数多い。4000ページ超え!)
本書は西洋哲学のみ取り扱っているが、東洋哲学バージョンももちろんある。
【史上最強の哲学入門】
アイアンマン(2008)
「I am Iron Man」
アイアンマン [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]
おすすめ度…★★★☆☆
ジャンル…アクション
脚本
マーク・ファーガス
ホーク・オストビー
アート・マーカム
マット・ホロウェイ
出演者
ロバート・ダウニー・Jr
テレンス・ハワード
ジェフ・ブリッジス
ショーン・トーブ
グウィネス・パルトロー
【予告】
【あらすじ】
億万長者で発明家の軍需産業会社社長トニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)は、視察に訪れた軍のキャンプでテロリストの奇襲に遭い、胸を負傷してしまう。やがて自分の会社の兵器がテロリストに悪用されている衝撃の事実を知ったトニーは、自ら戦闘用のスーツを作り、“アイアンマン”となってテロリストに闘いを挑む。
【感想】
アメコミ⇨映画化のパターン。
主人公トニーは女好きでお調子者な男で兵器会社の社長。
今まで挫折を殆ど味わったことがなかった彼だが、自分の開発した兵器で死にかけて以来「兵器を生み出すことは間違ってるんじゃないか」と思い始める。
そして彼は「人を殺す」ためではなく「人を救う」ためのスーツを開発し、世のため人のために行動を起こすことになる…というストーリー。
お茶目な主人公トニーを演じるロバート・ダウニー・Jrがなかなかハマり役。明るさの中にも弱さや脆さを持ったキャラクターは、彼の人柄に合っていたのだと思う。
映像技法も凄い。アイアンスーツで空中を飛び回る映像は日本の映画技術じゃあそこまでできないだろう。
アメリカすげー、ハリウッドすげーと思わせてくれる。
例のハリウッド映画に漏れずストーリー展開が早くサクサク見ることができる。
まぁでもアメコミというだけあってロボとメカが好きな人か子供向けかな。主人公のキャラに深みがあるわけでないし重大な問題提起があるわけでもないので個人的には退屈な映画だった。
個人的には星3つ。
【アイアンマン】
ロンドン・ゾンビ紀行(2013)
「わぁゾンビだ!」
おすすめ度…★★★★☆
ジャンル…ホラーコメディ
監督:マティアス・ハーネー
製作:ジェームス・ハリス/マーク・レーン
脚本:ジェームズ・モラン
【キャスト】
アラン・フォード
ハリー・トリーダウェイ
ミシェル・ライアン
ラスモス・ハーディカー
オナー・ブラックマン
【あらすじ】
不況のあおりを受けて、祖父のレイ(アラン・フォード)が入居する老人ホーム「ボウ・ベル」が閉鎖されるのを知ったテリー(ラスムス・ハーディカー)とアンディ(ハリー・トレッダウェイ)の兄弟。
ホームと祖父たちを救う資金を稼ごうと銀行強盗をもくろむが、なぜかゾンビが大量に出現してロンドンは大パニックに。
祖父の身を心配するテリーたちだが、その予感は的中。
ボウ・ベルにもおびただしい数のゾンビが押し寄せており、レイやほかの入居者たちが壮絶なサバイバルを繰り広げようとしていた。
【予告】
L4Dなら死んでた。
【感想】
ブログ記事第一弾にコレを持ってくるのはどうなの…と思ったけど最近見た中では相当面白い部類だったのでまぁいいや。
今作は予告からしてそこいらにあるB級ゾンビ映画と一線を画している。まずゾンビの動きが遅い。遅すぎる。歩行器でよろよろ歩く老人にすら歩行速度は負けるレベル。
いやこんなもん襲われる方がおかしいわ。
この映画のCMによく取り上げられているゾンビと老人の追いかけっこだが、正直言って本編を通してもココが1番の笑いどころ。これをやりたかっただけだろう。
後半になると様々な武器でゾンビに立ち向かうシーンが見どころである。サブマシンガンで撃ちまくっても反動で肩が外れなかったり、歩行器を武装してゾンビを倒しまくったりと何でもアリ。(足腰悪かったんじゃないんかい)
特にKATANAでゾンビを狩る光景はゲームなんかではたまにあるが、他の映画作品ではなかなか見られない。海外の怪物と日本の武器の奇跡のコラボレーション、まさに芸術。
ホラーなのにまるでハートフルコメディを見ているかのような「自分も明日からがんばろう!」と謎の清涼感に包まれるちょっと変わった作品。
堅苦しい教訓や説教めいたシーンなんかクソ食らえと言わんばかりに
頭を空っぽに、わっはっは!と笑いながら見れる爽快なゾンビ映画となっている。
そしてあまり語られないが、この映画のOPは結構かっこいいのである。
「銀行強盗だと!?あれほどマジメに働けと言ったのに…!…何、250万だと?
まぁいい。ただし次やったらブチのめしてやるからな」